「モノ消費からコト消費へ」という言葉を
みなさん耳にしたことはありませんか?
近年、モノを購入する消費行動より体験をするコト消費を重視する方が増え、旅行などでもその傾向が現れているそうです。
そこで、日本を訪れる外国人観光客に「まるでそこで暮しているかのようなちょっとした日本体験」をしてもらおうというサービスが2018年度末より始まっています。
展開しているのは株式会社TRIPLUS(トリプラス)。
(2018年創業・神奈川県)
その両者をつなぐマッチングサイト「TRIPLUS」を運営しています。
2019年11月6日に嬉野市役所塩田庁舎で株式会社TRIPLUSと嬉野市の連携協力に関する協定締結式が執り行われ、株式会社TRIPLUS 秋山 智洋 代表取締役社長、村上 大祐 嬉野市長らが出席しました。
写真左)村上 大祐 嬉野市長 右)秋山 智洋 代表取締役社長
協定の目的は、嬉野市と株式会社TRIPLUSとが観光振興、市民の生きがいづくり、多文化共生、地域活性化などの分野において双方の発展と充実に寄与するために積極的な連携を推進すること、今後、嬉野市内での体験コンテンツの掘り起こしや、サービス提供利用者への登録レクチャーなどが行われていきます。
ちなみに、このサービス提供者は
50歳以上の方が対象となります。
若い方がメインになると、日中は仕事や学校があり対応が難しかったり、若い方が中心となると50歳以上の方が入りにくいのでは・・・ということからサイト登録は50歳以上に設定されています。今の60歳以上の方はアクティブで、誰かの役に立ちたいと思っている方が多いこと、知識や経験が豊富であること、セカンドライフなども関係しているそうです。
秋山氏は事業説明の中で
「60歳を定年と考えた時、10年早くセカンドライフを考える【助走期間】が必要」とお話されていました。
そのためサイトは50歳以上が使いやすいデザインになっています。
もちろん49歳以下の方も手伝いなどの参加は可能です。
(PCを使えない場合や、語学に興味があるから手伝いたい、など)
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「TRIPLUS」のサービス利用モデルは2つ。
まず、基本型と呼ばれるもの。
ホスト(サービス提供をする日本の方)が体験コンテンツを登録し、
それをゲスト側(海外観光客)が検索・申し込みを行う流れです。
料金はホスト側が設定し、体験者の料金はTRIPLUSへ先払い。
外国人観光客が日本に訪れ、体験コンテンツ提供後、
TRIPLUSから支払額の7割が振り込まれます。
TRIPLUSの特徴は保険適用があること。
インバウンド型はついてこないことが多いそうです。
その手数料などで3割引かれます。
そしてもうひとつはリクエスト型。
体験してみたい内容をゲスト側が登録し、ホスト側が検索・引き受けます。
料金はゲスト側が設定。その後の流れは同じです。
最近では日本人より日本のことに詳しい海外の方が増えていますよね。
インターネットで日本の情報をより、収集しやすくなりました。
例えば、日本のお祭りの映像をインターネットで見た方は「屋台」に興味を持ち、「屋台の中で焼きそばを作りたい!」とリクエストしてこられたそうです。ほかにも「満員電車に乗ってみたい」「みそ汁の作り方を教えてほしい」「郷土料理作り」「流しそうめんを体験したい」などのリクエストがあったそうです。
ホスト側は「こういうことを体験したいだろう」と難しく考えがちのようですが実は身近に体験コンテンツはたくさんあるようです。
例えば「たまご焼き作り」。
「あの美しい断面・重なり方は芸術」と海外の方には見えるようです。何気ない日常は海外の方にとって「特別なもの」に成りうるのです。
サービスを開始した2018年末からこれまでの体験提供者はおよそ500名。マッチング件数はおよそ3,000件だそうです。
外国人観光客(ゲスト)向けサイト・英語
サービスを提供する日本の方(ホスト)向けサイト・日本語
?こちらに「ご利用の流れ」が掲載されています
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サービス提供で一番不安に思われるのは「言葉」。
実は、英語など外国語は一切話せない方もホストになっているそうです。
「【体験】があることで身振り手振り、単語でも思いは伝わるもの」だと秋山氏はこれまでの様子を見て感じたそうです。
村上 大祐 嬉野市長は
「外国人観光客が嬉野に愛着を持つことや深く感動をしてもらうことが、まちの力になるのではないかと思います。そして地元の方たちのやりがいや生きがいも感じていただける。私たち市民の幸せや満足度向上にもつなげていけたら。来年2020年は訪日客が増えるであろう東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。お茶・温泉・焼物やそれをはぐくむ豊かな自然風土を活用して嬉野のまちの元気を発信していければと思っています。」
株式会社TRIPLUS 秋山 智洋 代表取締役社長は
「海外旅行客は【旅行中、日本でこんなことをしたい!】という思いがほとんど実現できていない。インバウンドの受け皿が整っていないのと、日本には豊富な資源やすばらしい体験・知識を持った方々がたくさんいらっしゃること、その方々が活躍できる場を作ることができないかとスタートしました。何かスペシャルなことを考えるのではなく日本人にとっての当たり前が海外の方にとって特別なものです。TRIPLUSは【その土地のリアルな日常生活を海外の方に提供すること】一緒に体験することを大切にしています。嬉野で生活をしていないスタッフがメニューをつくるのではなく、通いながら嬉野市の方と一緒に考えていきたい。嬉野の方の当たり前の日常をご提供いただける形をつくりっていきたい。」
TRIPLUSでは事業のPRに各種SNSを活用。海外の方は自国の大使館で旅行情報を得るそうで、そちらにも情報提供を行っているそうです。嬉野のPRは旅行代理店のコンテンツやすでに来ている人の口コミなども活用したいとお話されていました。
期間は令和元年11月6日から1年間、自動更新です。
TRIPLUSがこのように協定を結ぶのは嬉野市が初めて。九州内ではすでに長崎県でサービスが展開されていますが「長崎創生プロジェクト事業」として認定を受けての取り組みだそうです。