2012/12/11 みんなが着やすい「UD浴衣」完成発表会と　中村元氏　講演会

佐賀・嬉野バリアフリーツアーセンター内に

委員会を作り開発に取り組まれていた

「UD(ユニバーサルデザイン）浴衣」が完成し

12月10日に完成発表会がありました。

取材のテレビカメラがなんと12台。

新聞社の方々もたくさんで

注目度の高さがうかがえます。

【　実はこの中にUD浴衣ではないものを着ている人が2人います・・】

今年の4月から取り組まれていたUD浴衣。

発表は、ファッションショー形式(^^)

モデルは、嬉野高校　観光科の生徒さん。かわいかったです。

 【　制作の会議にも参加されていた車イス利用者の樋口彩夏さん（久留米在住）　】

UD浴衣ではないのは、2番（黒い浴衣）と5番（一番奥のピンクの浴衣）でした。

他はみなさんUD浴衣なんですよ。

市販の浴衣を元に作られたので

柄や色など

市販の浴衣と変わらなく、かわいい浴衣です。

今回発表されたUD浴衣は2タイプあります。

【普通の浴衣】

 【　①かんたん浴衣　】

上下別々のセパレートタイプで

裾の方ははだけないように縫い合わせてあります。

 実際に着て見せてくれました。

縫い付けてある紐と帯だけで着れます。

上の方は

左右の紐が分かりやすいように

素材、先端の形、色を右と左で変えてあります。

視覚、触覚でもわかりやす工夫です。

 短めの帯も縫い付けの紐で結びます。

 飾り帯を付けて完成！簡単です！

 【②　車イス利用者特化浴衣】

こちらもセパレートタイプ。

上は「かんたん浴衣」と同じ。

下の方は腰の部分がU型に作られていて

これが

実は画期的な工夫なんです。（画期的な浴衣の理由①）

 スルスルスルと足を入れます。

腰を浮かしたりしなくて大丈夫！

 画期的な浴衣の理由②　飾り帯をなんと車イスに!!

　　　　　　　　　　　　　帯が見えるのと見えないのでは

　　　　　　　　　　　　　浴衣の美しさ、楽しさが全然違いますよね。

 立ってもらうとこんな感じです。

お尻の所に布がないので

腰を浮かしたりしなくても着れるのです。

また、車イスの時にお尻の布が当たらないので

すれたり痛かったりしないそうです。

車イスの車輪に巻き込んでしまいやすい袖には

かわいいピンで巻こみ防止を。

とても、動きやすくおしゃれです（＾ｖ＾）

 車イス利用者の樋口さんは、久留米在住との事で

パソコンを使った「スカイプ」で会議に参加されていたそうですw(゜o゜)w

「一度だけ浴衣を着てお祭りに行きましたが、着る時に立っているのが大変でした。

　これなら花火大会に着ていけます(^^)」

と、話されました。

嬉野高校の生徒さんもインタビュー。

「かわいいし、着やすかったです」(*^_^*)

バリアフリーツアーセンターのみなさんや和裁専門の先生、車イス利用者の樋口さんなどたくさんの方が

何度も話し合い改良を重ねて出来上がったUD浴衣。 

ともなが介護院さんや佐賀県立盲学校のみなさんや

車イスバスケットチームの「博多パトラッシュ」のみなさんなど

たくさんの方にモニタリングされただけあって

とても着やすく、しかも浴衣らしさを失わない

素敵な浴衣に出来上がっていました。

来年のお祭りには

色々な方が、浴衣やUD浴衣を

気軽に着て楽しんでいっらっしゃると

嬉しいですね（＾ｖ＾）

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

この日は

中村　元氏を迎えて

「バリアフリー観光で佐賀県をユニバーサルデザイン化」と題した

講演会もありました。

中村　元氏は

三重県嬉野町生まれで、現在

（特）日本バリアフリーツアーセンター観光推進機構　理事長

（特）伊勢志摩バリアフリーツアーセンター　理事長

　　をされています。

また、水族館プロデュ―サーとしてサンシャイン水族館や新江の島水族館などのリニューアルなどを

手掛け再生と集客を成功させた方です。

中村氏は講演の冒頭で

UD浴衣について触れられ

「帯と袖をなくさなかったことがすばらしい！車イスに袖は危ないから無くしたりといかにも「車イス用」というのは

実は使う人は本当には求めていない」と

使う人の気持ちを大切にしてできた「UD浴衣」への感想をおっしゃっていました。

講演では

一人ひとりのバリアに合わせた基準「パーソナルバリアフリー基準」などのお話があり

「100人いれば100通りのバリアがある。

５㎝の段がバリアになる人、ならない人、誰かがいたら大丈夫な人と色々。

そして、その先に何があるのか、何をしたいのからそこに行きたいのか。

使いやすくするだけではなく、その方が何を望んでいるかが最も大切。」

とはなされました。

他にも中村氏が

伊勢で実際携われた80代の女性が一人でされている旅館のUDへの改装の話を交えてのお話など

とても面白く

みなさん興味深く聞かれていた講演会でした。

 「ひとにやさしいまちづくり」の嬉野市に

また少し近づけた「UD浴衣」と中村氏の講演会でした。