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うれしの元気通信 2013/03/23 うれしの元気通信最終号
いきいき見聞録 その2


温かく素朴な味わい
鍋野の手漉き和紙づくりに挑戦

嬉野市塩田町の西北端に位置する鍋野地区。ここには300年以上の歴史を誇る伝統工芸の「鍋野手漉(す)き和紙」があります。
一時途絶えましたが、住民の皆さんの熱い思いで復活し、「うれしのあったかまつり」の灯籠や嬉野市内の小中学校の卒業証書などに利用されています。
私たちは今回、手漉き和紙保存会の代表・西野俊行さん(77)たちの指導を受け、手漉き和紙作りを体験してきました。(ゆっぴー)

鍋野手漉き和紙保存会の代表・西野俊行さん

手漉き和紙の原料は、楮(こうぞ)。鍋野地区ではその楮と粘剤のトロロアオイを栽培しています。楮は収穫した後、大釜で蒸し、皮をはいで3週間乾燥させます。それを化学薬品で煮て繊維だけにした後、薬で漂白し繊維の悪いところだけを取り除ききれいにして攪拌(かくはん)機で細かくします。
これに、鍋野川の水とトロロアオイを加えて調合します。これを「漉き船つくり」といいます。大変な時間と手間がかかる作業です。早速、用意してもらった漉き船でハガキサイズの和紙作りを体験させてもらいました。

作り方は
 1. 漉き船に木枠を入れて紙を漉きます。この時、木枠を約45度の角度で漉き船に入れるのがポイントです。
鍋野手漉き和紙 作り方1
   角度が違うと、木枠の下から空気が入って膨らんだり、原料が枠に入りすぎたりして、よれてしまいます。

 2. 原料が入った木枠を前後左右にゆっくり動かし、原料を平らにしながら水を切ります。
鍋野手漉き和紙 作り方2
   1~2を3、4回繰り返して厚さを調節します。やってみると意外に難しく、4人とも大苦戦。それでも、保存会の方に手伝ってもらい、楽しく漉くことができました。漉き船から聞こえる水の音も優しく、とても心地よかったです。

 3. 水を切り、枠を外して並べて乾燥します。ここからは保存会の方にやっていただけます。
鍋野手漉き和紙 作り方3
 4. 中に熱いお湯が入った鉄板の上で熱し、乾かします。
鍋野手漉き和紙 作り方4
 5. 形を整えて完成です!
20130323_01_10.jpg

張りがあるしっかりした素敵な和紙ができました。漉いて乾かすまで、約1時間かかります。その間、保存会の西野さんに、鍋野手漉き和紙の歴史や復活した経緯を伺いました。
◆ ◆ ◆

鍋野地区に手漉き和紙の技術が伝わったのは、1650年頃といわれています。鍋野手漉き和紙はひきが強く障子紙や傘、提灯紙として重宝され、大正初期までは地区の8割の60戸が作り、年産3万貫(約112トン)を塩田津から積み出していました。
私が幼い頃は自宅でも漉いていて、学校に持っていく大きい傘を作ってもらいました。しかし、機械紙や西洋紙の普及で需要が減少し、昭和38年以降、途絶えていました。
平成12年、塩田町の活性化のために復活させようと、塩田町商工会と私たち鍋野地区の元和紙職人が協力。37年ぶりに復活させ、保存会を作りました。保存会は現在8人。主に70~80歳代です。後継者が今はまだいませんが、この伝統を繋げていくのが私たちの責任だと思うので、後継者が出てきてくれるのを楽しみに待っています。それまで頑張ります。まずは、この手漉き和紙体験を通じて和紙の良さを知ってもらい、人とのふれあいを楽しんでほしいと思います。

◆ ◆ ◆

1枚1枚心を込めて漉いた和紙はとても温かく、素朴な味わいがあります。皆さんもぜひ一度、この手漉き和紙を体験してみませんか。
できました!!

【メモ】鍋野手漉き和紙工房(塩田町馬場下乙2176-1)
    日曜日のみ体験・見学可能(要予約)
    体験料:ハガキ(4枚)名刺(12枚) 各1,000円
            (出来上がった和紙は持ち帰れます)
    問い合わせ先:塩田町商工会 TEL 0954-66-2555


あ、情報はこれだけじゃない∑(゜ロ゜ノ) !!?
そんなたくさんの行程が見られる、ゆっぴーによるさらに詳しい体験記はこちらから!⇒鍋野手漉き和紙作りを体験 !! 

 
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