うれしの元気通信
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うれしの元気通信 2019/10/24 芸術療法を知るきっかけに
友朋会「アートセラピー美術館」



嬉野町の友朋会 嬉野温泉病院
嬉野温泉病院では昭和40年の創立から、
「芸術療法」に取り組まれています。

心がモヤモヤしている時、
例えば誰かにその気持ちを話すことで
すっきりすることがありますよね。

言葉や作品などで表現することは
ストレス発散になり、心の健康にもつながります。

その表現の方法を病気の特性に合わせて
療法的に働きかけ、治療につなげていく「芸術療法」

その芸術療法をさまざまな方に知っていただきたいと
体験イベントも開催されてるんです(*'ω'*)

芸術療法によってうまれた作品の一部は
敷地内にある「アートセラピー美術館」に展示されています。

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アートセラピー美術館

建物は地上2階、地下1階。

1階は患者さんの絵画を中心に展示されています。

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作品の大きさもさまざま。
作者はイニシャルで表記されています。


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病院内外の風景や、病院関係者、
自分の記憶や思い出、本からの模写・・・など
人によって描くもの画材など異なります。

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絵画療法の作品はカルテと同じ扱い。
病院で保管されています。
数年に1度作品の入れ替えもあるんだそうです。


担当の方によると数百枚、数千枚描かれた方も。
その1作目から、作品を並べてみると
ひとつのテーマがあったり、ストーリーがあったり。
いろいろなことが見えてくるそうです。

取材に伺った時は
同じ患者さんの作品が並べてあり、
絵の変化などを見ることができました。
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葉のひとつひとつ丁寧に
描かれています。


芸術療法は芸術療法士、作業療法士がペアになります。
患者さんが自由に描いた絵や作品から
言葉では表現できない内面的な問題を共有し
治療に役立てています。

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嬉野温泉病院
創設理事長 中川  保孝


中川氏は昭和3年生まれ。
昭和27年に九州大学医学専門部卒業、
昭和28年に九州大学医学部精神神経科入局。

昭和30年に東京慈恵会医学大学神経科入局、絵画療法開始。
昭和40年に精神科・神経科嬉野病院を開設し、院長に就任。

中川氏は昭和26年に、二科展に初入選するなど
芸術家でもありました。
そして、「芸術療法」という本に影響を受け、
絵画療法の研究を始められたそうです。

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2階には中川氏の作品が展示されています。

ホームページにはこのようなことが書かれていました。

絵を描く行為、そして作品を通し自分自身と向き合って

創設者の中川保孝は慢性の統合失調症の
患者さんへの絵画制作時のアドバイスとして、
 「病気を塗りつぶすつもりで、
 画用紙をすべて隙間なく塗って下さい」と言い続けました。

決して、鑑賞されるための作品を作ることが
目的ではありませんから、
 技術的な指導は最小限にしておりました。
 
「病気を塗りつぶして、そこに見えてくる自分と向き合ってみなさい」
という教えであったと思います。

(嬉野温泉病院HPより)

中川氏は日本芸術療法学会、
西日本芸術療法学会も立ち上げ、
芸術療法の普及に尽力されました。

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現在も画用紙を塗りつぶすところから
始まるそうです。
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2階
イーゼルには患者さんの1作目の絵画が
飾られているそうですよ。

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毎年朝顔の絵を描いていた方。
毎年変わらず生きていることを
確認するように描いていたのではとの解釈。

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開院から約3年後には「陶芸療法」もスタート。
陶芸は地元の産業でもあり、
昔は社会復帰のためにも行われていたそうです。

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自身の努力で絵付けなどを身に着け、
陶工になった方もいらっしゃったとのこと。
(現在は療法としてアプローチを転換)


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中央の大きな作品は中川氏のもの。

地下1階には病棟ごとに陶芸や
絵画などの作品が展示されています。

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こちらは曼荼羅塗り絵。

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この美術館は平成3(1991)年に開館しました。


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精神病は偏見の目で見られることがあり、
芸術療法でうまれる作品にも偏見や誤解があったそう。

絵を描くことは心の健康につもつながります。
患者さんの作品は素朴で、
自分の目線で描かれていることを知ってほしい。

美術館という作品を見る場が
病院と地域の窓口となるような思いで作られました。

絵画は観賞を目的とされていないので、
販売やほかのイベントでの展示は
原則として行っていないそうです。


無人開放が難しいため、ご覧になりたい方は
事前のご連絡をお願いいたします(現在平日のみ対応)。

開館時間:9時~16時
閉館日:12月29日~翌1月4日
連絡先:TEL 0954-43-0157 
 ※写真撮影はご遠慮ください

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また、嬉野温泉病院を訪れたことがある方や
近くを通ったことがある方は、
建物の外観に印象があるのでは?

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建物は、創設理事長・中川 保孝氏がデザインしたもの。

空間も治療の場であるので
病院らしくない建物を目指し
洋館を思わせるようなデザインになったそうです。

中川氏も時々散歩されていたそうですよ(*'ω'*)

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写真左)新病棟は現理事長が
    和をイメージしてデザイン

現在、嬉野温泉病院では
絵画療法
陶芸療法
音楽療法
園芸療法
料理教室
 (社会復帰の手段や生活リハビリとして)
児童思春期では
クラフト・コラージュ、箱庭療法などが行われています。

そして、芸術療法を地元の方にも知っていただきたいと
毎年「アートセラピー美術館祭」を開催されています。

2019年(第22回)は10月26日に開催です(参加予約は締め切られました)

体験種目は以下の内容です。
・陶芸療法
・絵画療法
・音楽療法
・連句療法
・クラフト療法
・コラージュ療法

初めての方でも取り組みやすいように
実際の療法より簡単な内容になっています。
「楽しみながら創作できた」という感想が
たくさん寄せられています。


参加も小中学生や高校生、県外の大学生など
子どもから大人までと幅広い!


ワークショップ終了後は懇親会がありますので
それぞれの体験はどんなだったのかな~?と
感想を話し合えます(*´ω`*)


▶過去参加者の感想
音楽療法
「楽譜が読めなくても参加できたのでよかった」
「皆の心が一つになったような気がして楽しかった」

クラフト療法
「オリジナルのバッグを作れて楽しかった」

コラージュ療法
「自分のために作品を作ることができ、大事に使用したい」


心を落ち着かせて、ゆっくりと自分の作品に向き合えますよ。
2019年の申し込みは締め切られましたが
毎年開催されていますので、ご興味がある方はぜひ(*^^*)


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医療法人財団
友朋会 嬉野温泉病院

嬉野市嬉野町大字下宿乙1919
TEL 0954-43-0157

ホームページ
http://www.yuhokai.com/index.html


 
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