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うれしの元気通信 2025/03/26 \次の100年にむけて/
九大生による肥前吉田焼 製品発表会


2025年3月7日
肥前吉田焼の4つの窯元と九州大学芸術工学部の学生がコラボした製品の発表会が嬉野町の「肥前吉田焼ギャラリー」で開催されました(^O^)/
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嬉野町吉田にある「肥前吉田焼ギャラリー」
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肥前吉田焼や吉田地区にある窯元、
九州大学の学生や市役所職員など関係者が集まりました。

この取り組みは2024年10月からはじまったもの。
学生らは10月に嬉野市を訪れ、香田陶土や各窯元を訪問し焼き物ができる工程や産地の現状を学びました。
2024年11月にデザイン開発案の中間発表会開催。
学生の自由なアイディアに窯元からの専門的なアドバイスがおくられました。

ほかに、茶空間体験やナカシマファームなど嬉野での取り組みも見学したそうです。
12月の最終プレゼンテーションで5つの案が採用されました。
そこから各窯元と製品作りにとりくみ、5つの作品が誕生しました(^^)
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●3月7日に発表された製品●

< 発表順 >


❶加藤 愛 / 副千製陶所磁器で作った篠笛「地産地奏」
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加藤さんは出身地は佐賀県外の「吉田」ということで嬉野町吉田に深い縁と、さらに、地元に残る「篠笛と太鼓で演奏する伝統芸能」に触れて育ってきたことから、嬉野町の「温泉区面浮立」に共通点を感じたそう。
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加藤さんの調査によると、篠笛を作るメーカーはほとんどが本州に偏っているそうです。
そこで、地元で産まれた楽器を地元で奏でる「地産地奏-面浮立のための新しい篠笛-」をコンセプトに吉田焼で面浮立のための新しい篠笛作りを提案されました(^O^)/
音の正確さについては、温泉区面浮立保存会・諸上 栄大さんにインタビュー。
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▲お披露目された篠笛を吹く 諸上栄大さん

諸上さんは幼少期から篠笛を吹き続けており、篠笛は祖父から受け継いだ手作りの笛です。
諸上さん自身もこの提案に興味をもち、会場では出来上がった吉田焼の篠笛で美しい音色を奏でていました。

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吉田焼の篠笛は「吊るし焼」という方法で、紐を通して焼く方法をとっています。
吊るし焼のための穴はそのまま、飾り付きの紐をつけるなど活用されていました。
この日披露された篠笛には、面浮立の衣装の模様を参考に絵付けされています。

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加藤さんは観光への展開例として
■嬉野市曲を制作された篠笛奏者「佐藤和哉」さんとのコラボ
■陶磁器販売のイベントや皿屋でのイベント「ひかりぼし」での演奏
■ティーツーリズムが行われている「天茶台」でお茶と伝統芸能のイベントの開催
を提案しました。
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▲製作した「副千製陶所」副島謙一さん
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❷田中 彩生
 / 224porcelain ・株式会社SING
嬉野温泉に来る人が吉田焼を知るきっかけになる
「磁器製ボールペン」
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この課題に取り組むにあたって、田中さんは「嬉野温泉に来る人に吉田焼を知ってもらう」ことを目的に考えたそうです。
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そこで、嬉野温泉に来る人の行動を観察したところ、旅館やホテルに行ってまず初めに「ペン」を触っていることに注目。
田中さんは「吉田焼を知るきっかけになるボールペンを作る」ことに決めました。
名前は「ポーセリン(磁器)」と「ボールペン」を掛け合わせて「Porpen(ポールペン)」。
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ボールペンのモチーフは「神功皇后(じんぐうこうごう)」を参考にしたそうです。
神功皇后は嬉野の地名に深く関係する方なんです(*^▽^*)
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神功皇后はその昔、戦いの帰りにこの地に立ち寄られ、川中に疲れた羽根を浸していた白鶴が元気に飛び立つ様子をご覧になりました。
そこで戦いで傷ついた兵士を入れてみたところ、実はそこには温泉が沸いていて、たちまち兵士の傷が癒えたのだとか。
それを大変喜ばれた皇后が「あな、うれしいの」と言われたことが、嬉野の地名の起源と伝えられています。

田中さんが提案するボールペンの形はその神功皇后が描かれている絵から「太刀」と、「みずら」といわれる髪型を参考にしています(*^^*)
型は2つ、色のバリエーションは白、黒、金、銀。
ペン先はシリコンになっています。
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▲村上嬉野市長も「書きやすいですね」と試し書き。

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❸武田 遥 / 224porcelain
吉田焼で日常生活に特別感をプラスする「茶香炉」
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武田さんは昨年の嬉野訪問で「天茶台」で茶空間体験をしたと時、お茶の味だけでなく香りがとても良いと感じたそうです。
そこで武田さんが提案したのが「茶香炉」。
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コンセプトを温泉旅館のロビーや客室に置く茶香炉として2つのデザインが発表されました。
デザインするにあたって、いろんなお店を回り、茶香炉を購入して使う中で茶葉と火の距離で香りの強さが変わることを発見。
「香りが広がる形」をキーワードにデザインされたひとつめは、上に広がるV字の形の茶香炉。

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キャンドル皿、茶葉を置くお皿と本体の3つのパーツに分かれています。
とても軽くて、火をつけたキャンドルをキャンドル皿にのせれば本体を上からかぶせるだけでとても安全に使用できます(^O^)
とても軽くて、取扱いもしやすかったですヽ(^o^)丿
2つ目は「帯」が上にあがる形の茶香炉。
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こちらは焼き上がりが予想以上に沈んでしまい、再度調整が必要に。
武田さんは
「失敗してもなんでそうなったか、考えることが楽しい。」
と目を輝かせながらお話してました。

製作した224porcelain 辻 諭さんは
「武田さんのデザイン案はほぼほぼ完成形で、私は作るだけでよかった。ポイントが高いデザイン案でした。和でも洋でも使えて、家や旅館の客室で使うイメージがすごくわきました。嬉野のみなさんに使っていただけるように今後しっかり作り上げていきたい。」とお話されていました。
とてもシンプルでどの空間にもなじみそうな素敵なデザインでした。

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❹深海 優佳 / 江口製陶所
磁器の中にお茶パックを入れてお風呂で使うツボ押し
「ちゃつぼおし」

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温泉が大好きな深海さん。
嬉野温泉も大好きなんだそう。
中間発表でさまざまなアイディアを持っていったものの、ピンとくるものがなく江口製陶所で実際に手を動かして考えることに。
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作業後、和楽園の「茶風呂」に入りそこで嬉野の魅力である「温泉」「お茶」「焼物」が同時に楽しめることに注目してアイディアを展開してきます。
お茶は殺菌作用、消臭効果、リラックス効果など健康に対する良い効果があり、深海さんも「茶風呂」に入った際、お茶のいい香りでとてもリラックスできたそうです。

この「茶風呂」を全国的に、もっと多くの方に知ってほしいとおもったことから、コンセプトを「嬉野茶の茶風呂を自宅で体験できるプロダクト」に決定。
そしてツボ押しに注目し、自宅のお風呂でツボ押しを使いながら茶風呂を体験できるよう、お茶のティーパックを押しながらツボを押す形になりました。
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製作した江口製陶所は釉薬の種類が豊富なことが特徴。
この日お披露目された製品も、白、水色、緑などかわいらしい色でした(*´ω`*)

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深海さんは「江口製陶所の大坪さんは、若者をターゲットに食器以外の物を作りたいとお話されていました。嬉野に来た若い方をターゲットに、お土産に買って帰れるものを想定してカラフルな色の展開にしました。」とお話されていました。
ちゃつぼおし に使うティーパックは一度抽出したものでも利用でき、小さな穴からお茶が出てきて香りを楽しみながらツボ押しができます。
江口製陶所の大坪さんは
「江口製陶所では"カッサ"という美容グッズも作っています。この"ちゃつぼおし"と合わせて美容系窯元になれたらな、と思っています。一度使ったティーパックがまた楽しめるということで、嬉野から帰った後も自宅で嬉野を楽しんでもらえるお土産になるのではないかと思います。」
とお話されていました(*^_^*)
この「ちゃつぼおし」を一目見た時に色で「これは江口製陶所のだ!」と分かりました♪
今回の他の製品もそうですが、形や色に各窯元の個性・特徴がよく現れているなと思いました。

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❺久保田 峻介 / 副武製陶所・224porcelain 
物語を描く茶器「emaki」
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今回のプロジェクトに参加して、久保田さんは「嬉野には嬉野にしかない記憶がある」ということを感じます。

久保田さんは嬉野を訪れた際、「広大な土地を眺めながら吉田焼でお茶をいただく体験(茶空間体験)では、九大生みんな笑顔満開で、本当に嬉野に来てよかったという思い出を持ち帰ることができた」という経験から、「嬉野に旅行に来た方たちもこんな風に「来てよかった」という楽しい思い出を持ち帰っているのでは」と考えます。

そこで、温泉とお茶で満たされた嬉野の旅の思い出を持ち帰ることができる吉田焼の新しいお土産を考えることに。
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コンセプトは「嬉野の物語を描く茶器」
製品は湯のみと急須です。
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製作したのは、副武製陶所と224porcelain。
副武製陶所は「おすもうさん」や「吉田プロレス」、猫などチャーミングなイラストとスタンプの絵付けを得意としています。

224porcelainは3Dの技術で特殊な形も作ることができます。
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久保田さんの提案は「紙をひと巻きしたような形状になった、絵巻物のように嬉野の物語を描ける形状」になった湯のみと急須です。
上からみると丸ではなく、紙を丸めたような形になっています(^O^)

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この提案に対して、副武製陶所の副島 淳さんはおすもうさん、猫、吉田プロレスのシリーズを製作。

おすもうさんにお茶を淹れてもらったのですが、まるでお茶の温泉に浸かっているような状態に( *´艸`)

久保田さんは
「茶器に描くということは、新しいアーティストとのコラボができるのではないかと考えました。写真を貼ることで成長の記録をひとつの湯のみに書き記すアルバムのような茶器ができたり。子どもたちの絵付け体験やワークショップをしたり。この商品だけで終わらず、この茶器自体が新しいものに広がっていくベースとなるのではないかと考えています。」
と、製品の展望について語りました
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副武製陶所 副島 淳さんは
「ひとつの器に物語性があるのがすごく気に入っています。自分はこういうのを作りたいな、と最初に考えて。急須の中におすもうさんが隠れています。」
とお話されていました。

遊び心あふれる湯のみと急須。
お茶を淹れると別の物語が現れて、製作現場も楽しそう

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この5つの製品の商品化については未定です。

今後も肥前吉田焼では若手育成・コラボレーションを続けていく予定です。
現在すすんでいるコラボレーションはHP「よしださんち。」で紹介されています♪

▼よしださんち。
https://yoshidasanchi.com/

吉田焼の新たな1ページ。
今後もどのような取り組みが行われるか楽しみですね(*´ω`*)
 
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