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2025/03/27
\次の世代に吉田焼を伝える/
脱炭素と若手育成の取り組み
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2025年3月7日
肥前吉田焼の4つの窯元と九州大学芸術工学部の学生がコラボした製品の発表会が嬉野町の「肥前吉田焼ギャラリー」で開催されました(^O^)/
▼製品発表会についてはコチラのブログで紹介しています。
400年以上の歴史を誇る肥前吉田焼。
吉田焼の窯元では現在、高齢化が進んでいます。
5年後、10年後は人手不足だけでなく技術も失われてしまうかもしれない。
肥前吉田焼では次の100年を構想する実行委員会「肥前吉田焼産地再生チャレンジ推進協議会」が発足し、次の世代のことを考えたチャレンジが始まっています。
その取り組みの大きな柱は「脱炭素」と「若手の育成」。
今回の九州大学とのコラボも取り組みのひとつです。
製品発表会の前に、「肥前吉田焼産地再生チャレンジ推進協議会」のメンバーでもある224porcelain 辻 諭さんからプロジェクトに対する思いと3つの新たな取り組みについて説明がありました。
❶SAGA DESIGN AWARD 大賞受賞報告
224porcelain新ブランド・精成舎「uzra (うづら)」が2月に開催されたSAGA DESIGN AWARDにおいて大賞を受賞されました。
窯業は元来、山を削り、石や土を掘り、焼成の際に二酸化炭素を排出する、地球環境に負荷を与える産業。
高い技術を持つ窯元であっても約10%の不良品が排出されます。
1年をかけて研究が行われ、環境負荷の低い新たな素材「晟土(せいど)」と製造法が開発されました。
この素材は一般の磁器に比べ1.5 倍の強度を持ち、焼成時に排出する二酸化炭素量は通常の磁器製造より40%削減されます。
さらに良品率99%を達成。
辻さん「今使っている天草陶石も有限。50年、100年後もあるか分からない。だからこそ無駄なものは極力焼かないように、次の世代のことも考えたい。」と語ります。
明治時代、吉田山では陶器製造会社「精成社」が設立され、中国や朝鮮へ販路を拡大していきました。
先人たちが作った精成社のように吉田焼を栄えさせ、若い人たちが集う場所になるようにという願いを込め、新しいブランドネームは「精成舎」と名付けられました。
吉田焼ではこれまで黒い点やちいさい穴などがあるものを「えくぼとほくろ」として販売してきました。
ですが10%の不良品が排出されることは解消できないままでいたことから、この取り組みが始まりました。
▼詳しくはHP・SNSへ
❷3Dプリンタでカスタマイズ可能なネジ穴付きの器
『Corcelain(コーセリン)』
発明家・高橋鴻介さんと224porcelain によるコラボ『Corcelain』は、ネジ穴のついた磁器。
パーツを組み合わせることで自分好みにカスタマイズでき、カップや植木鉢など、用途は使い手の想像力次第で無限に広がります。
3Dプリンターなどの加工機を使えば、自分オリジナルの器を形にすることができます。
後継者を見つけるにはまずは産地に興味をもってもらうことから。
今まで異なる領域の方と吉田焼の産地がつながり、吉田を訪れたり、これまでにないコラボレーションが期待されます。
❸吉肥前吉田焼マーケティング部
吉田の自由な雰囲気をそのままに、誰でも入れて部活動みたいに吉田を盛り上げていく活動。
あと5年経ったらいろんな技術が失われて、分業が成り立たなくなっていくかもしれない。そんな危機的状況にある肥前吉田焼。伝統工芸の産地でありながら吉田は自由で、作家活動を応援してくれる場所。
その自由な雰囲気をそのままに、誰でも入れて部活動みたいに吉田を盛り上げていく活動です。
肥前吉田焼で働く方のインタビューや現在進行中のコラボレーションなど、吉田焼の活動が分かるサイトもあります
ぜひご覧ください(*´ω`*)
▼よしださんち。 HP
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